100円ショップで見かける可愛らしいペペロミア。「育ててみたいけど、観葉植物は初めてで不安…」と感じていませんか?
この記事では、そもそもペペロミアはどんな観葉植物かという基本から、100均で買えるペペロミアの種類、購入後のチェックポイントまで詳しく解説します。
さらに、失敗しないための室内環境の整え方、適切な水やりの頻度と観察ポイント、肥料選びと与え方といった日々の管理方法。
元気がなくなった時のトラブル対応策、成長に合わせた植え替えのタイミングや増やし方まで、100均のペペロミアを長く楽しむための情報を網羅しました。
この記事を読めば、初心者の方でも安心してペペロミアを育て始められます。
本記事の内容
- 100均でペペロミアを購入する際の選び方と初期管理
- 初心者でも失敗しない基本的な育て方と成長のコツ
- 植え替えや増やし方などステップアップのためのお手入れ
- よくあるトラブルの原因と具体的な対処法
ペペロミアの育て方|100均での購入から基本まで

ペペロミアはどんな観葉植物?

ペペロミアは、主に熱帯や亜熱帯のアメリカが原産のコショウ科サダソウ属に分類される観葉植物。その学名は「コショウに似た」という意味を持ち、実際にコショウの仲間にあたります。
世界には1,000種類以上もの品種が存在し、その姿は実に多様。ぷっくりとした肉厚の葉を持つものが多く、その見た目から多肉植物と混同されることもあります。
葉に水分を蓄える性質があり乾燥に強いという点は、多肉植物と共通しています。しかし、その生育環境には大きな違いがあります。多くの多肉植物が乾燥地帯に自生するのに対し、ペペロミアは熱帯雨林の樹木や岩などに根を張って暮らす「着生植物」が中心。
このため、砂漠のような強い直射日光は苦手で、木漏れ日が差すような明るい日陰を好みます。この自生環境を理解することが、上手な育て方に繋がる第一歩です。
ペペロミアの最大の魅力は、その種類の豊富さからくる個性的な見た目です。スイカのような縞模様の葉を持つ「スイカぺぺ(ペペロミア・アルギレイア)」や、光沢のある丸い葉が可愛らしい「オブツシフォリア」など、コレクションする楽しみがあります。
また、花言葉には「艶やか」「可愛らしさ」「片思い」といった言葉が付けられており、そのチャーミングな姿にぴったり。比較的小さなサイズで流通することが多く、室内のちょっとしたスペースにも飾りやすい点も人気の理由と言えるでしょう。
100均で買える種類とレア品種の紹介

最近では、ダイソーなどの100円ショップでもペペロミアを手軽に購入できるようになりました。100均だからといって枯れやすいということはなく、生産者の方がしっかりと育てた元気な株が並んでいます。
店舗や時期によって品揃えは異なりますが、初心者の方でも育てやすい代表的な種類をいくつかご紹介します。
種類 | 特徴 | 育てやすさ |
ペペロミア・オブツシフォリア | 肉厚で光沢のある丸い葉。非常に丈夫で、乾燥にも強い。斑入り品種も人気。 | ★★★★★ |
ペペロミア・セルペンス | 白や黄緑色のマーブル模様が美しいつる性の品種。ハンギングに向いている。 | ★★★★☆ |
ペペロミア・フォレット | 濃い緑色の葉が特徴。生産農家が少ないため、見つけたら少し珍しい品種。 | ★★★★☆ |
ペペロミア・ホープ | 丸い肉厚の葉が連なるように垂れ下がる。蒸れに少し弱いため風通しが鍵。 | ★★★☆☆ |
購入する際には、いくつかチェックしたいポイントがあります。まず、葉にハリとツヤがあり、色が鮮やかかを確認します。次に、茎が徒長(間延び)しておらず、根本がしっかりしているものを選びましょう。
また、葉の裏や付け根に、白い綿のようなカイガラムシや、小さなクモのようなハダニがいないかもしっかりと観察することが大切。これらのチェックを行うことで、より健康な株を選ぶことができます。
購入後のチェックと100均で揃える用土と鉢

お気に入りのペペロミアを見つけて家に迎えたら、まずはその健康状態を改めて詳しくチェックしましょう。前述の通り、葉の裏や新芽の部分に害虫が潜んでいないか、土の表面にカビが生えていないかなどを確認します。
その後、できるだけ早めに新しい鉢へ植え替えることを強くおすすめします。販売時のビニールポットは非常に小さく、根が窮屈になっていることが多いです。
また、生産者向けの土は保水性が高すぎる場合があり、初心者がそのまま管理すると根腐れの大きな原因になります。幸い、植え替えに必要な基本的な資材は、ほとんど100円ショップで揃えることが可能です。
鉢の選び方
現在のポットより一回り(直径で約3cm)大きい鉢を選びます。材質は主にプラスチックと素焼き(テラコッタ)がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。
材質 | メリット | デメリット |
プラスチック鉢 | 安価、軽量、デザインが豊富、土が乾きにくい | 通気性が悪く、根腐れのリスクがやや高い |
素焼き鉢 | 通気性・排水性が良く、根腐れしにくい | 重い、割れやすい、土が乾きやすい |
ペペロミアは多湿を嫌うため、水やりに不安がある初心者は、通気性の良い「素焼き鉢」から始めると失敗が少ないでしょう。
用土の選び方
100円ショップで販売されている「観葉植物の土」で問題ありません。もし、より水はけを良くしたい場合は、その土に「パーライト」や「鹿沼土の小粒」を1〜2割ほど混ぜ込むと、根腐れのリスクをさらに下げることができます。
成長を妨げない置き場所と室内環境の整え方

ペペロミアを元気に育てるためには、置き場所が最も重要な要素の一つ。ペペロミアは、原産地の熱帯雨林で木漏れ日を浴びて育つ植物です。このため、室内では「直射日光の当たらない明るい場所」を好みます。
具体的には、レースのカーテン越しの光が差し込む窓辺が理想的。もし、そのような場所がない場合は、リビングや書斎の照明が当たる明るい場所でも育てられます。
季節ごとの置き場所のポイント
- 春・秋: 日差しが柔らかいため、レースカーテン越しの窓辺が最適です。
- 夏: 直射日光が非常に強く、葉焼けを起こしやすい季節。窓辺から少し離れた、部屋の少し内側に移動させましょう。
- 冬: 日差しが弱くなるため、できるだけ明るい窓辺に置きます。ただし、夜間は窓際が急激に冷え込むため、部屋の中央に移動させるなどの工夫が必要です。
温度と湿度、風通し
ペペロミアは寒さが苦手で、生育に適した温度は18℃〜24℃。冬場は最低でも8℃、できれば10℃以上を保つように管理してください。
また、エアコンの風が直接当たる場所は極端な乾燥を招き、葉を傷める原因になるため避けましょう。適度な湿度を好むため、霧吹きで葉に水をかける「葉水」を定期的に行うと、ホコリを落とす効果もあり、生き生きと育ちます。
さらに、風通しを良くすることは、病害虫の発生を抑える上で非常に大切。空気がよどみがちな場所に置く場合は、時々窓を開けて換気したり、サーキュレーターで空気を循環させたりすると良いでしょう。
水やりの頻度と観察ポイント|根腐れ防止のコツ

観葉植物を枯らしてしまう原因の多くは、水のやりすぎによる「根腐れ」。ペペロミアは肉厚な葉に水分を蓄えることができるため、特に乾燥気味の管理が成功の鍵となります。
水やりの基本は、「季節を問わず、土の表面が完全に乾いたのを確認してから、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与える」こと。「毎日少しずつ」という与え方は、土の中が常に湿った状態になり、根腐れを招くため絶対にやめましょう。
土の乾き具合を確認する方法
- 指で触る: 土の表面だけでなく、指を第一関節くらいまで入れてみて、中の湿り気を確認します。
- 割り箸を挿す: 乾いた割り箸を土に数秒挿して抜き、土が付いてこなければ乾いているサイン。
- 鉢の重さ: 水やり直後の重さを覚えておき、鉢を持ち上げた時に軽くなっていたら水やりのタイミングです。
季節ごとの頻度の目安
- 春〜夏(生育期): 成長が活発で水の吸収も早いです。土が乾いたらたっぷりと与えます。
- 秋〜冬(休眠期): 成長が緩やかになり、水の必要量も激減します。土の表面が乾いてから、さらに4〜5日、あるいは1週間ほど待ってから水を与えてください。冬場は「忘れた頃にあげる」くらいの感覚で丁度良い場合もあります。
水やり後の受け皿に溜まった水は、根が酸素を取り込むのを妨げるため、必ずすぐに捨ててください。この一手間が、根腐れを防ぐ上で非常に効果的です。
元気な植物に育てるための肥料選びと与え方

ペペロミアは非常に丈夫で、多くの養分を必要としないため、基本的には肥料を与えなくても十分に育ちます。特に植え替え時に新しい用土を使っていれば、最初の1年ほどは土に含まれる養分で問題ありません。
肥料を与えるのは、購入してから年月が経ち、葉の色が薄くなってきた、新しい葉が出にくくなったといった、栄養不足のサインが見られた時です。その場合も、与える時期と量には注意が必要です。
肥料を与える時期と種類
肥料は、植物の成長が活発になる「生育期」の5月〜10月の間に限定します。気温が下がる秋の終わりから冬にかけての休眠期に肥料を与えると、吸収しきれずに根を傷める「肥料焼け」を起こす可能性があるため、絶対に与えないでください。
- 液体肥料: 最も手軽でおすすめ。観葉植物用のものを、製品に記載されている規定量よりもさらに2倍ほど薄めて(例:500倍なら1000倍に)、2週間に1回程度の頻度で水やり代わりに与えます。
- 緩効性固形肥料: 効果が1〜2ヶ月持続するタイプです。土の上に置くだけなので手間がかかりません。
注意点
植え替えた直後の1ヶ月間は、根がデリケートな状態なので肥料を与えないでください。また、株が弱っている時に慌てて肥料を与えるのも逆効果です。まずは置き場所や水やりなど、基本的な管理方法を見直すことが先決です。
100均ペペロミアの育て方|成長後の手入れと対策

元気がない時のトラブル対応策

大切に育てていても、時にはペペロミアの元気がなくなってしまうことがあります。しかし、多くの場合、そのサインは植物が送るSOSです。症状を正しく理解し、早めに対処すれば回復させることが可能です。
よくあるトラブルと対処法
- 症状:葉や茎が黒くブヨブヨになる
- 原因: 典型的な根腐れの症状です。水のやりすぎや、土の水はけの悪さが考えられます。
- 対処法: すぐに水やりを中止し、風通しの良い場所に移動させます。黒くなった部分は元に戻らないため、清潔なハサミで切り取ります。
土がずっと湿っている場合は、一度鉢から抜いて根の状態を確認し、黒く腐った根を取り除いて新しい土で植え替えるのが最善です。
- 原因: 典型的な根腐れの症状です。水のやりすぎや、土の水はけの悪さが考えられます。
- 症状:葉にハリがなく、しおれている
- 原因: 土が乾いているなら単純な「水切れ」、土が湿っているなら「根腐れ」が疑われます。
- 対処法: まず土の状態を確認します。カラカラに乾いていれば、すぐに鉢底から流れるまでたっぷりと水を与えます。土が湿っているのにしおれている場合は、根が傷んで水を吸えない状態。
根腐れの対処法と同様に、水やりを控えて様子を見るか、植え替えを行います。
- 原因: 土が乾いているなら単純な「水切れ」、土が湿っているなら「根腐れ」が疑われます。
- 症状:害虫がついている
- 原因: 風通しが悪いと、カイガラムシやハダニといった害虫が発生しやすくなります。
- 対処法: カイガラムシ(白い綿状のもの)は、歯ブラシやティッシュでこすり落とします。ハダニ(葉の裏に付く小さな点)は水に弱いため、定期的な葉水が予防になります。
大量に発生した場合は、市販の殺虫剤を使用することも検討してください。
- 原因: 風通しが悪いと、カイガラムシやハダニといった害虫が発生しやすくなります。
これらのトラブルは、日々の観察によって早期に発見できます。水やりの際に葉の裏をチェックする習慣をつけることをおすすめします。
植え替えの適切なタイミングと100均アイテム活用法

ペペロミアが順調に成長すると、1〜2年で鉢の中が根でいっぱいになる「根詰まり」を起こします。これは元気な証拠ですが、そのままにしておくと成長が止まったり、水はけが悪くなって根腐れの原因になったりします。
そうなる前に、一回り大きな鉢に植え替えてあげましょう。
植え替えのサインと時期
植え替えが必要なサインは、「鉢底の穴から根が見えている」「水の染み込みが遅くなった」「株が大きくなり鉢とのバランスが悪くなった」など。
最適な時期は、生育期の前半にあたる5月〜7月頃。この時期なら、植え替えで受けたダメージからの回復が最もスムーズです。
植え替えの手順
- 準備: 新しい鉢(一回り大きいもの)、鉢底ネット、鉢底石、新しい観葉植物の土を用意します。これらは100円ショップでも揃えられます。
- 株を抜く: 鉢の縁を軽く叩きながら、株をゆっくりと引き抜きます。
- 根を整理する: 古い土を3分の1ほど優しく手で落とします。この時、黒く腐った根や古くなった根があれば、清潔なハサミで切り取ります。根が固まっている場合は、少しほぐしてあげましょう。
- 植え付け: 新しい鉢の底にネットと石を敷き、土を少し入れます。ペペロミアを中央に置き、隙間に新しい土を入れます。割り箸などで土をつつき、根の間に土がしっかり入るようにします。
- 水やり: 植え付け後、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えます。
植え替え直後は、植物も疲れています。直射日光の当たらない明るい日陰で1週間ほど休ませてから、通常の管理に戻しましょう。
増やし方(挿し木・株分け)初心者も安心

ペペロミアは生命力が強く、初心者でも簡単に増やすことができるのも大きな魅力。お気に入りの株を増やして別の部屋に飾ったり、友人にプレゼントしたりする楽しみも広がります。増やす作業に適した時期は、生育期である5月〜8月頃です。
挿し木(さしき)
最もポピュラーな方法です。伸びすぎた茎を剪定するついでに行えます。
- 水挿し: 元気な茎を先端から5〜10cmほどでカットし、下の葉を数枚取り除きます。水の入った容器に挿しておくと、1〜2週間で根が出てきます。発根する様子が目に見えるので、初心者には特におすすめです。根が2〜3cm伸びたら土に植え付けます。
- 土挿し: カットした茎を、湿らせた新しい土に直接挿す方法。土が乾かないように管理すれば、1ヶ月ほどで根付きます。
葉挿し(はざし)
葉を1枚使って増やす方法です。
- 元気な葉を、葉柄(葉の付け根の軸)を2cmほど付けて切り取ります。
- その葉柄を土に挿します。
- 土が乾かないように霧吹きなどで管理すると、数ヶ月後に付け根から新しい芽が出てきます。時間はかかりますが、たくさんの株を作ることが可能です。
株分け
植え替えの際に、鉢の中で株が自然に分かれている場合に行える方法。鉢から株を抜いた後、根を優しくほぐしながら手で2つ以上に分け、それぞれを別の鉢に植え付けます。
種類別育成ポイント

ペペロミアの基本的な育て方はどの品種も共通していますが、それぞれの個性や草姿を知ることで、より適した管理や飾り方ができます。
直立性の品種(例:オブツシフォリア、ジェイド、スイカぺぺ)
茎が上に向かって伸びていくタイプです。比較的小さな鉢でもまとまりが良く、テーブルや棚の上に置くのに適しています。特にオブツシフォリアやジェイドは葉が肉厚で乾燥に非常に強いため、水やりの頻度は他の種類よりさらに控えめを意識するとうまくいきます。
スイカぺぺは、その名の通りスイカのような模様が美しく、葉焼けすると魅力が半減してしまうため、特に夏の強い日差しには注意が必要です。
つる性・匍匐性の品種(例:セルペンス、ホープ、イザベラ)
茎が横に這うように、または垂れ下がるように伸びていきます。このタイプの魅力を最大限に活かすには、少し高さのある場所から垂らすように飾るハンギングがおすすめ。伸びすぎたつるは、見栄えが悪くなるだけでなく、株元の風通しを悪くする原因にもなります。
定期的に好みの長さにカットして形を整えましょう。カットしたつるは、そのまま挿し木に使えるので一石二鳥。特にホープは葉が肉厚な分、蒸れに弱い傾向があるため、風通しの確保がより重要になります。
100均で始めるペペロミアの育て方まとめ
この記事では、100円ショップで購入できるペペロミアの育て方について、購入時のチェックポイントから日々の管理、トラブル対策まで詳しく解説しました。最後に、重要なポイントをまとめます。
- ペペロミアは熱帯原産で乾燥に強く、多湿を嫌う観葉植物である
- 100均でもオブツシフォリアなど元気な株が手に入る
- 購入後は葉のツヤや害虫の有無をチェックする
- 植え替え用の土や鉢も100均で揃えることが可能だ
- 置き場所はレースカーテン越しの明るい日陰が最適
- 夏の直射日光と冬の寒さには注意が必要
- 水やりは土の表面が完全に乾いてからが基本
- 特に冬は水やりを控えめにし、根腐れを防ぐ
- 受け皿に溜まった水は必ず捨てる
- 肥料は基本的に不要だが、与えるなら生育期に薄めて与える
- 葉が黒くなるのは水のやりすぎが主な原因
- 葉がしおれるのは水切れか根腐れのサイン
- 1〜2年に1回、春から夏に植え替えを行う
- 挿し木や株分けで簡単に増やすことができる
- 品種ごとの特徴を知ると、より管理がしやすくなる





