大切に育てているコーヒーの木の葉が枯れてくると、心配になりますよね。ツヤツヤとした緑の葉が魅力的なだけに、少しの変化も見逃したくないもの。
この記事では、多くの人が直面する「コーヒーの木の葉が枯れる」という問題に焦点を当て、その原因から具体的な対処法までを網羅的に解説します。
コーヒーの木栽培の魅力に触れながら、まずは基本的な栽培方法を再確認し、なぜ葉が茶色になる原因が生まれるのかを探ります。正しい水やりや肥料の与え方、そしてデリケートな温度管理や寒さへの対応ポイントまで、一つひとつ丁寧に見ていきましょう。
さらに、根腐れや乾燥を防ぐ方法、葉がしおれる時の応急処置、成長に欠かせない植え替えのポイント、さらには見落としがちな病気や害虫への対策についても詳しくご紹介。
この記事を最後まで読めば、あなたのコーヒーの木を再び元気な姿に戻すための知識が身につくはずです。
本記事の内容
- コーヒーの木の葉が枯れる主な原因
- 症状に合わせた正しい復活方法
- 日々の管理で枯らさないための予防策
- 植え替えや剪定など一歩進んだ育て方
コーヒーの木の育て方で葉が枯れる主な原因とは

コーヒーの木の魅力

コーヒーの木を育てることには、多くの魅力があります。まず挙げられるのは、その美しい見た目。光沢のある深い緑色の葉は、どんなインテリアにも映え、お部屋に生命感と洗練された雰囲気をもたらしてくれます。
比較的小さなサイズから育て始めることができ、成長の過程を日々楽しめるのも大きな喜びの一つです。
また、丹精込めて育てていくと、白いジャスミンのような香りの良い花を咲かせることがあります。開花期間は短いものの、その可憐な姿と香りは格別。
そして、花が咲いた後には、サクランボのような赤い実(コーヒーチェリー)がなります。自家製のコーヒー豆を収穫するという、壮大な夢に挑戦できるのも、コーヒーの木栽培ならではの醍醐味と言えるでしょう。
もちろん、実を収穫するまでには数年の歳月と適切な管理が必要ですが、新芽が芽吹き、少しずつ幹が太くなっていく様子を見守るだけでも、十分に愛着が湧き日々の暮らしに潤いを与えてくれる存在になります。
基本的な栽培方法

コーヒーの木を元気に育てるためには、まず基本的な栽培環境を整えることが大切。原産地である熱帯アフリカの環境を、日本の室内でいかに再現するかが鍵となります。
置き場所
コーヒーの木は、明るい日差しを好みますが、夏の強い直射日光は苦手。直射日光に当たると葉が焼けて茶色く変色してしまう「葉焼け」を起こしやすくなります。
そのため、室内ではレースのカーテン越しに柔らかな光が入る窓辺が最適な場所です。若木のうちは比較的日陰にも強い性質(耐陰性)がありますが、成長するにつれて日光をより必要とするようになります。
温度管理
熱帯生まれの植物なので、寒さには非常に弱いです。生育に適した温度は20℃前後で、冬場でも最低10℃以上を保つように心がけてください。気温が10℃を下回ると、葉が落ち始め、枯れる原因となります。
冬の窓際は外気の影響で冷え込みやすいため、夜間は部屋の中央に移動させるなどの工夫が必要。また、暖房の風が直接当たる場所は、極度の乾燥を引き起こし葉を傷めるので避けましょう。
用土
水はけの良い土を好みます。市販の観葉植物用の培養土で問題ありませんが、自分で配合する場合は、赤玉土を主体に腐葉土やピートモスを混ぜたものがおすすめ。
水はけが悪いと、後述する「根腐れ」の原因になりやすいため、土選びは重要なポイントです。
項目 | 最適な環境 | 注意点 |
日当たり | レースカーテン越しの明るい日陰 | 夏の直射日光は葉焼けの原因になる |
温度 | 生育適温:20℃前後、冬越し:10℃以上 | 暖房の風が直接当たらないようにする |
用土 | 水はけの良い観葉植物用の培養土 | 水はけが悪いと根腐れのリスクが高まる |
葉が茶色になる原因と初心者がやりがちな管理ミス

コーヒーの木の葉が茶色く変色したり、葉先から枯れ込んだりするのには、いくつかの原因が考えられます。特に栽培を始めたばかりの方が陥りやすい管理ミスと合わせて解説します。
水の過不足
最も多い原因が、水やりに関するトラブルです。
- 水のやりすぎ(過湿): 土が常に湿っている状態だと、根が呼吸できずに腐ってしまいます。これを「根腐れ」と呼びます。
根が傷むと、水分や養分を葉まで十分に届けられなくなり、結果として葉先が茶色くなったり、葉全体が黄色く変色して落葉したりします。受け皿に溜まった水をそのままにしておくのも、根腐れを誘発する典型的なミスです。 - 水やり不足(乾燥): コーヒーの木は水切れを起こすと、葉がしおれて下向きに垂れ下がります。この状態が長く続くと、葉の先端まで水分が行き渡らず、葉先からパリパリに乾燥して茶色く枯れてしまいます。一度枯れた部分は元に戻りません。
日光の問題
前述の通り、強すぎる直射日光は葉焼けの原因です。特に春から夏にかけて、屋外に出したり窓際に置いたりしている場合は注意が必要になります。
葉の色素が抜けたように白っぽくなったり、部分的に茶色く焼け焦げたようになったりするのは、葉焼けのサインです。
根詰まり
購入してから何年も植え替えをしていない場合、鉢の中で根がいっぱいになり、ガチガチに固まってしまう「根詰まり」を起こしている可能性があります。
根詰まりすると、新しい根を伸ばすスペースがなくなり、水の吸収効率が著しく低下します。その結果、水やりをしても水分がうまく吸えずに葉先が枯れ込む原因に。鉢底の穴から根が見えている場合は、根詰まりのサインです。
肥料の過不足
- 肥料の与えすぎ: 良かれと思って肥料を頻繁に与えすぎると、「肥料焼け」を起こして根を傷めることがあります。特に、植物の成長が緩慢になる冬場に肥料を与えると、吸収しきれずに根にダメージを与え、葉が枯れる原因になります。
- 肥料不足: 長期間肥料を与えていないと、土の中の栄養分が枯渇し、葉の色が薄くなったり、生育が悪くなったりすることがあります。
これらの原因は一つだけでなく、複数が絡み合って症状を引き起こしている場合も少なくありません。日々の観察を通じて、何が原因なのかを見極めることが大切です。
適切な水やり・肥料の与え方と不足時のサイン

コーヒーの木を健康に保つためには、水と肥料の管理が非常に重要。季節や成長段階に合わせた適切な管理方法と、トラブルのサインを見逃さないためのポイントを解説します。
水やりの基本
水やりのタイミングは、季節によってメリハリをつけることが肝心です。
- 春から秋(生育期): この時期はコーヒーの木が活発に成長し、水を多く必要とします。土の表面を手で触ってみて、乾いているのを確認してから水を与えるのが基本。与える際は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与え、根全体に水を行き渡らせます。
これにより、土の中に溜まった古い空気や老廃物を押し出す効果も期待できます。水やり後は、受け皿に溜まった水を必ず捨てることを忘れないでください。 - 冬(休眠期): 気温が下がると成長が緩やかになり、水の必要量も減少します。この時期に生育期と同じペースで水やりを続けると、根腐れの原因になります。冬場は、土の表面が乾いてからさらに2~3日待って、土の中まで乾燥しているのを確認してから水を与えましょう。
与える水は、冷たい水道水をそのまま使うのではなく、室温に戻した常温の水を使うと、根への負担を軽減できます。
肥料の与え方
肥料は、植物の成長を助ける「ごはん」のようなもの。与える時期と量を間違えないようにしましょう。
- 与える時期: 肥料が必要なのは、成長が活発になる5月~10月の生育期。この期間に、効果がゆっくりと持続するタイプの「緩効性化成肥料」を2ヶ月に1回程度、土の上に置く(置き肥)のが手軽でおすすめ。
あるいは、水で薄めて使う「液体肥料」を2週間に1回程度、水やり代わりに与える方法もあります。 - 注意点: 植え替え直後の約1ヶ月間や、株が弱っているときには肥料を与えないでください。また、冬の休眠期には肥料は一切不要です。土の上に置いた固形肥料は取り除きましょう。
水や肥料の不足サイン
コーヒーの木は、水や栄養が不足すると葉にサインを出します。
- 水不足のサイン: 最も分かりやすいサインは、葉が力なく垂れ下がること。この状態に気づいたら、すぐにたっぷりと水を与えれば、数時間から1日程度で元のシャキッとした状態に戻ります。
しかし、この状態を繰り返すと株に負担がかかるため、葉が垂れる前に水やりをするのが理想です。 - 肥料不足のサイン: 全体的に葉の色が薄い黄緑色になってきたり、新しい葉の出が悪くなったりした場合は、肥料が不足している可能性があります。生育期にもかかわらず元気がないと感じたら、規定の量で肥料を与えてみましょう。
日当たり・温度・寒さへの対応ポイント

コーヒーの木は、日当たりと温度管理が育成の成否を分けると言っても過言ではありません。特に日本の四季の変化に対応するためには、いくつかの重要なポイントがあります。
日当たりの管理
一年を通して、コーヒーの木には「明るい日陰」が最適な環境。
- 春・秋: 日差しが比較的柔らかいこの時期は、レースカーテン越しの日光に当てることで元気に育ちます。適度な日光は、葉の色を濃くし、丈夫な株を作ります。
- 夏: 夏の直射日光は非常に強く、葉焼けの最大の原因となります。窓際に置いている場合は、レースカーテンを二重にするか、窓から少し離れた場所に移動させて、光量を調整してください。
- 冬: 冬は日差しが弱まるため、できるだけ明るい場所に置いて光合成を促してあげましょう。ただし、窓際は夜間に急激に温度が下がるため、注意が必要です。
温度管理と冬越し
コーヒーの木の原産地は年間を通して温暖な気候です。そのため、日本の冬の寒さは大きなストレスとなります。
- 生育適温: 最も元気に成長するのは20℃~25℃の環境。日本の春や秋は、コーヒーの木にとって最も過ごしやすい季節と言えます。
- 冬越しの最低ライン: 寒さには弱く、最低でも10℃以上の室温を維持することが、無事に冬を越すための絶対条件。できれば12℃以上あるとより安心です。気温が8℃を下回ると、葉が傷み始め、5℃以下になると枯死する危険性が高まります。
- 冬場の置き場所: 冬の間は、必ず室内で管理します。日中は日当たりの良い窓際でも構いませんが、夜間は窓からの冷気で鉢が冷え切ってしまうため、部屋の中央など、温度変化の少ない場所に移動させましょう。
床に直接置くと冷気が伝わりやすいので、少し高さのある台やスツールの上に置くのも効果的です。 - 暖房器具への注意: エアコンやヒーターの温風が直接当たる場所は絶対に避けてください。急激な温度変化と乾燥で、葉がチリチリになったり、一気に落葉したりする原因になります。
これらのポイントを押さえ、季節の移り変わりに合わせて置き場所を柔軟に変えることが、コーヒーの木を一年中健康に保つ秘訣です。
コーヒーの木の育て方で葉が枯れるときの対処法

根腐れや乾燥を防ぐための管理方法

葉が枯れる二大要因である「根腐れ」と「乾燥」。これらは日々の少しの心がけで防ぐことができます。ここでは、それぞれの予防法と、万が一発生してしまった場合の対処法を解説します。
根腐れの予防と対処
根腐れは、水のやりすぎや土の水はけの悪さが主な原因。
- 予防法:
- 水やりは土が乾いてから: 最も基本的な予防策です。「土の表面が乾いたら」というルールを徹底しましょう。鉢を持ち上げてみて、軽くなったと感じるのも水やりのサイン。
- 受け皿の水は必ず捨てる: 水やり後に受け皿に溜まった水は、根が常に水に浸かっている状態を作り出し、根腐れを直接的に引き起こします。面倒でも毎回必ず捨ててください。
- 水はけの良い土を使う: 植え替えの際には、観葉植物用の土など、水はけの良い用土を選びましょう。
- 水やりは土が乾いてから: 最も基本的な予防策です。「土の表面が乾いたら」というルールを徹底しましょう。鉢を持ち上げてみて、軽くなったと感じるのも水やりのサイン。
- 対処法:もし、土から腐敗臭がしたり、幹の根元がブヨブヨと柔らかくなっていたりする場合は、根腐れが進行している可能性が高いです。その場合は、思い切って植え替えを行います。
- 鉢から株を優しく抜き取ります。
- 古い土を丁寧に落とし、根の状態を確認。
- 黒く変色して腐っている根や、スカスカになった根を、清潔なハサミで切り取ります。
- 健康な白い根だけを残し、一回り大きな鉢に新しい水はけの良い土で植え替えます。
- 植え替え後は、すぐに水やりはせず、数日経ってから与え始め、明るい日陰で様子を見ます。
乾燥の予防と対処
乾燥は、水やりを忘れることで発生します。
- 予防法:
- 定期的な土のチェック: 毎日植物を観察する習慣をつけ、土の乾き具合をチェックしましょう。特に空気の乾燥する夏場や冬の暖房の効いた部屋では、土が乾くのが早くなります。
- 葉水(はみず): 霧吹きで葉の表裏に水を吹きかける「葉水」は、葉からの水分蒸散を抑えるだけでなく、ハダニなどの害虫予防にもなり一石二鳥です。毎日行うと良いでしょう。
- 定期的な土のチェック: 毎日植物を観察する習慣をつけ、土の乾き具合をチェックしましょう。特に空気の乾燥する夏場や冬の暖房の効いた部屋では、土が乾くのが早くなります。
- 対処法:葉がしおれてぐったりしている場合は、明らかな水不足です。すぐに鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えてください。
土がカラカラに乾ききって水を弾いてしまう場合は、バケツなどに水を張り、鉢ごと数十分浸けて底からゆっくり吸水させる「腰水(こしみず)」という方法も有効です。
葉がしおれる時の応急処置と復活方法

コーヒーの木の葉が突然しおれて垂れ下がっているのを見ると、非常に心配になるもの。しかし、原因を正しく見極めて迅速に対処すれば、多くの場合復活させることが可能です。
水切れが原因の場合
最も一般的な原因は水切れ。葉全体が力なく下を向いているのが特徴です。
- 応急処置:
- まずは、鉢底から水が十分に流れ出るまで、たっぷりと水を与えます。
- 土が完全に乾ききって水を弾くようなら、前述の「腰水」を試してください。バケツに水を張り、鉢の半分くらいの高さまで浸して30分~1時間ほど置き、土にしっかりと水を吸わせます。
- 水を与えた後は、直射日光の当たらない明るい日陰で休ませます。
- まずは、鉢底から水が十分に流れ出るまで、たっぷりと水を与えます。
- 復活のサイン:通常、水切れが原因であれば、数時間から翌日には葉にハリが戻り、シャキッと上を向いてきます。もし、水を与えても復活しない場合は、根に問題がある(根腐れや根詰まり)可能性を疑う必要があります。
寒さが原因の場合
冬場に葉がしおれたり、葉がパリパリになったりする場合は、寒さによるダメージが考えられます。
- 応急処置:
- すぐに、より暖かく温度変化の少ない場所に移動させます。窓際や玄関など、冷え込みやすい場所からは遠ざけましょう。
- ただし、急に暖かい場所に移動させると、急激な環境変化でさらにストレスを与える可能性があります。まずはリビングの中央など、比較的穏やかな場所に移して様子を見ます。
- 暖房の風が直接当たらないように注意してください。
- すぐに、より暖かく温度変化の少ない場所に移動させます。窓際や玄関など、冷え込みやすい場所からは遠ざけましょう。
- 復活のサイン:寒さで傷んだ葉は、残念ながら元に戻らないことが多いです。しかし、株自体が生きていれば、春になって暖かくなると新しい芽が出てきます。
傷んだ葉は、他の健康な葉の光合成を妨げないよう、付け根から切り取っても構いません。焦らずに、春まで適切な温度管理を続けながら見守ることが大切です。
植え替えのポイントと剪定の正しいやり方

コーヒーの木が健やかに成長するためには、定期的な植え替えと適切な剪定が不可欠。これらは植物に一時的なストレスを与えますが、長期的に見れば健康を維持し、美しい樹形を保つために重要な作業です。
植え替え
根詰まりを防ぎ、新しい栄養を供給するために、1~2年に1回は植え替えを行いましょう。
- 最適な時期: 植え替えは、植物の成長が活発になる直前の5月~6月が最適。この時期に行うと、植え替えによるダメージからの回復が早くなります。
- 手順:
- 現在の鉢より一回り大きな鉢と、新しい観葉植物用の土、鉢底石、鉢底ネットを準備します。
- 鉢から株を慎重に引き抜きます。抜けにくい場合は、鉢の側面を軽く叩くと抜けやすくなります。
- 根鉢(根と土が固まったもの)の周りの古い土を、3分の1程度優しくほぐし落とします。このとき、黒ずんで腐った根があれば切り取ります。
- 新しい鉢の底に鉢底ネットと鉢底石を敷き、土を少し入れます。
- 株を鉢の中央に置き、ウォータースペース(水やりのための空間)を2~3cm残して、隙間に新しい土を入れていきます。割り箸などで土を突きながら入れると、根の間にまんべんなく土が入ります。
- 植え替え後は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与え、その後は明るい日陰で1週間ほど管理して様子を見ます。
- 現在の鉢より一回り大きな鉢と、新しい観葉植物用の土、鉢底石、鉢底ネットを準備します。
剪定
葉が茂りすぎて風通しが悪くなると、病害虫の原因になったり、内部の葉に光が当たらなくなったりします。剪定で樹形を整え、健康な状態を保ちましょう。
- 最適な時期: 剪定も植え替えと同様に、生育期の5月~10月に行います。特に、新芽が多く出る5月~6月に行うと、切り口から新しい枝葉が伸びやすくなります。
- 方法:
- 間引き剪定: 混み合っている枝や、内側に向かって伸びている枝などを、付け根から切り取ります。これにより、風通しと日当たりが改善されます。
- 切り戻し剪定: 上に伸びすぎた主幹や枝を、好みの長さで切り詰めます。切った部分の少し下から新しい芽が出てきて、高さを抑えることができます。
- 枯れ葉の処理: 茶色く枯れた葉や、葉焼けした部分は、見つけ次第、葉の付け根(葉柄)から清潔なハサミで切り取りましょう。放置しても元には戻らず、見た目も良くありません。
- 間引き剪定: 混み合っている枝や、内側に向かって伸びている枝などを、付け根から切り取ります。これにより、風通しと日当たりが改善されます。
剪定に使うハサミは、植物の細胞を潰さないよう、切れ味の良い園芸用のものを使い、使用前には消毒すると病気の感染を防げます。
発生しやすい病気や害虫への対策

適切な環境で育てていても、病気や害虫が発生してしまうことがあります。早期発見と早期対処が、被害を最小限に食い止める鍵となります。
注意すべき害虫
室内で管理していても、風に乗ってきたり、新しい植物についてきたりと、害虫の侵入経路は様々。
- ハダニ: 高温乾燥を好み、特に夏場に発生しやすい非常に小さな害虫。葉の裏に寄生し、養分を吸います。被害が進むと、葉にかすり状の白い斑点ができ、やがて葉全体の色が悪くなります。クモの巣のような細い糸を張ることもあります。
- 対策: ハダニは水に弱いため、日常的な葉水が最も効果的な予防になります。発生してしまった場合は、シャワーなどで葉の裏を重点的に洗い流すか、専用の殺虫剤を散布します。
- 対策: ハダニは水に弱いため、日常的な葉水が最も効果的な予防になります。発生してしまった場合は、シャワーなどで葉の裏を重点的に洗い流すか、専用の殺虫剤を散布します。
- カイガラムシ: 白い綿のようなものや、茶色い貝殻のようなものが枝や葉の付け根に付着します。成虫は硬い殻で覆われているため薬剤が効きにくく、厄介な害虫です。
植物の汁を吸って弱らせるほか、排泄物が原因で「すす病」を誘発することもあります。
- 対策: 発生が少ないうちは、歯ブラシやティッシュなどでこすり落とすのが確実です。数が多い場合は、専用の殺虫剤を使用しますが、成虫には効きにくいため、幼虫が発生する5月~7月頃の散布が効果的です。
- 対策: 発生が少ないうちは、歯ブラシやティッシュなどでこすり落とすのが確実です。数が多い場合は、専用の殺虫剤を使用しますが、成虫には効きにくいため、幼虫が発生する5月~7月頃の散布が効果的です。
- アブラムシ: 主に新芽や若い葉に群生し、汁を吸います。繁殖力が非常に高く、あっという間に増殖します。
- 対策: 初期であれば、テープで貼り付けたり、水で洗い流したりして駆除できます。数が多い場合は、市販の殺虫剤を散布します。
注意すべき病気
- すす病: カイガラムシやアブラムシの排泄物を栄養源として発生する黒いカビ。葉の表面が黒いすすで覆われたようになり、光合成を妨げて生育を阻害します。
- 対策: まずは原因となっている害虫を駆除することが先決。その後、濡れた布などで黒いすすを丁寧に拭き取ります。
害虫や病気の予防には、何よりも風通しの良い環境を保つことが大切です。定期的な剪定で葉の密集を防ぎ、日常的に葉の状態を観察する習慣をつけましょう。
よくある質問|人気や口コミ、生産終了の噂

コーヒーの木を育てる上で、多くの方が抱く疑問や気になる噂についてお答えします。
Q. コーヒーの木は人気がないの?
いいえ、そんなことはありません。コーヒーの木は、観葉植物として昔から安定した人気を誇ります。その理由は、光沢のある美しい葉がインテリアとして非常に優れていること、そして「自家製コーヒー」というロマンあふれる目標を持てるユニークな植物であることなどが挙げられます。
カフェ風のインテリアが流行していることもあり、おしゃれな空間を演出するアイテムとして、常に一定の需要があります。
Q. 生産終了という噂を聞いたけど本当?
「コーヒーの木が生産終了」という公式な情報はなく、これは誤った情報である可能性が非常に高いです。園芸店やホームセンター、オンラインショップなど、現在も様々な場所で広く販売されています。
この噂は、特定の品種が品薄になったり、ある生産者が出荷を終了したりした情報が、誤って「コーヒーの木全体が生産終了」という形で広まってしまったものと考えられます。心配せずに、お気に入りの一鉢を探してみてください。
Q. 口コミを見ると「育てるのが難しい」という声もあるけど…
確かに、コーヒーの木は日本の気候、特に冬の寒さが苦手なため、「簡単」と言い切れる植物ではないかもしれません。温度管理を怠ると、葉が落ちて枯れてしまうことがあります。
しかし、この記事で解説したような「冬は10℃以上を保つ」「夏の直射日光は避ける」「水のやりすぎに注意する」といった基本的なポイントさえ押さえれば、初心者の方でも十分に元気に育てることが可能。
葉が垂れ下がるなど、水切れのサインが分かりやすい点は、むしろ管理しやすいという声もあります。
Q. どのくらいで花や実がつくの?
栽培環境にもよりますが、一般的には苗から育てて3年~5年ほど経ち、株が十分に成熟すると花を咲かせるようになります。高さが1m程度に成長することが一つの目安。
花が咲けば、受粉して実がなる可能性があります。焦らず、気長に成長を見守る楽しみも、コーヒーの木栽培の魅力の一つです。
まとめ:コーヒーの木の育て方で葉が枯れる悩みを解決
- コーヒーの木の葉が枯れる主な原因は水の過不足、根詰まり、日照、温度の問題である
- 水のやりすぎは根腐れを引き起こし葉先が茶色くなる
- 水不足は葉をしおれさせ先端から乾燥させる
- 夏の強い直射日光は葉焼けを起こし葉が変色する
- 寒さに非常に弱く冬は10℃以上の室内管理が必須である
- 何年も植え替えていないと根詰まりで水分を吸えなくなる
- 水やりは春から秋は土の表面が乾いたらたっぷりとおこなう
- 冬の水やりは土が乾いてから2~3日後と控えめにする
- 肥料は生育期の5月~10月に与え冬は与えない
- 根腐れした場合は腐った根を切り取り新しい土で植え替える
- 水切れでしおれたらすぐにたっぷりと水を与える
- 植え替えは1~2年に一度、5月~6月に行うのが最適
- 剪定は風通しを良くし病害虫を防ぐために重要
- ハダニやカイガラムシなどの害虫は早期発見・早期駆除が大切
- 日々の葉水は乾燥と害虫の予防に効果的




