【12月に植える花おすすめはこれ!】プランターや花壇で楽しむ冬の品種選び

こんにちは。園芸基本の木、運営者の「hajime」です。

12月に入ると、朝晩の冷え込みがいよいよ本格的になってきますよね。枯れ葉が舞う季節になると、「もう今年のガーデニングは終わりかな」なんて、スコップを置いてしまいたくなる気持ちよく分かります。

私自身もガーデニングを始めたばかりの頃は、冬の間は何も植えず、茶色くなった花壇をただ眺めているだけでした。でも、実は12月こそ、春に向けた「仕込み」と、冬ならではの「彩り」を楽しむ絶好のチャンスなんです。

この記事にたどり着いたあなたは、きっと冬の庭をどうにかしたいという熱い思いを持っているはず。

この時期に適切な植物を選び、ちょっとしたコツを押さえて植え付けるだけで、殺風景になりがちな冬の景色が驚くほど華やかに変わります。

この記事では、寒さに強く初心者の方でも失敗しない品種の選び方から、寒冷地でも枯らさないためのプロ顔負けの管理テクニックまで、私の経験を交えて余すところなくお伝えします。

本記事の内容

  • 春まで咲き続ける強健な花の種類
  • プランターや花壇の植栽密度とデザイン
  • 球根を12月からでも咲かせるための救済テクニック
  • 植物を守り抜く水やりと防寒の具体的メソッド
目次

12月に植える花|目的別に見るおすすめ品種

12月に植える花

「冬は花の種類が少なくて寂しい」というイメージ、まだ持っていませんか? 確かに春や夏に比べれば種類は減りますが、その分、寒さに強く、一つひとつの花が持つ存在感が際立つのがこの季節の特徴。

ここでは、プランター、花壇、庭木など、それぞれのシチュエーションにベストマッチする植物を厳選してご紹介します。

パンジーとビオラ

12月に植える花

冬のガーデニングにおいて、絶対に外せない王道中の王道、それがパンジーとビオラ。「またパンジー?」と思われるかもしれませんが、近年の品種改良は目を見張るものがあります。

フリルのような花びらを持つもの、アンティーク調のニュアンスカラー、うさぎの耳のような形をしたものなど、毎年新しい品種が登場して私たちを楽しませてくれます。

なぜ12月にパンジー・ビオラなのか?

パンジーやビオラの最大の魅力は、その圧倒的な「耐寒性」にあります。雪に埋もれて凍ってしまっても、朝の日差しを浴びると解凍されたように復活して花を咲かせる姿には、本当に感動させられます。

12月に植える場合、すでに花がついている「開花株」を選ぶのが鉄則。種から育てる場合、この時期だと寒さで株が大きくならず、花が咲くのが春以降になってしまうことがあるからです。

hajimeのワンポイント:花がら摘みの重要性

冬の間も次々と花を咲かせるには、「花がら摘み」が欠かせません。咲き終わった花をそのままにしておくと、種を作ることにエネルギーを使ってしまい、新しい花が咲かなくなってしまいます。

花茎の根元からひねるようにして摘み取るのがコツですよ。

パンジーとビオラの違いと使い分け

一般的に花が大きいものが「パンジー」、小さいものが「ビオラ」と呼ばれていますが、最近はその境界線も曖昧になってきています。

豪華に見せたいならパンジー、小花をたくさん咲かせて可愛らしくしたいならビオラ、といった具合に、好みの雰囲気で選んで大丈夫です。

個人的には、寒さが厳しい地域では、株がコンパクトにまとまり花数が多いビオラの方が、雪や風のダメージを受けにくいと感じています。

強い宿根草や多年草

12月に植える花

毎年の植え替えが大変だと感じる方や、庭のベースとなる植物を探している方には、一度植えれば毎年花を楽しめる宿根草や多年草がおすすめ。中でも、冬のガーデニングの主役として私が強く推したいのが、クリスマスローズです。

冬の貴婦人、クリスマスローズ

クリスマスローズは「ヘレボルス」とも呼ばれ、うつむき加減に咲く姿がとても上品な植物です。この花のすごいところは、「日陰(シェードガーデン)でも元気に育つ」ということ。

冬の間、建物の影になって日が当たらない場所でも、クリスマスローズなら立派に花を咲かせてくれます。

12月に出回る株には、「ニゲル(ニガー)」という早咲きの品種と、「オリエンタリ(ハイブリッド)」という春咲きの品種があります。今すぐに花を楽しみたいなら、白い花が特徴の「ニゲル」を選びましょう。

雪の中から顔を出す純白の花は、本当に美しいですよ。

その他の寒さに強い宿根草

クリスマスローズ以外にも、寒さに強い宿根草はたくさんあります。以下の表に、私が実際に育ててみて「これは強い!」と感じたおすすめ品種をまとめました。

スクロールできます
植物名特徴と魅力耐寒性ゾーン
クリスマスローズ日陰に強く、花期が非常に長い。常緑なので冬のグリーンとしても優秀。非常に強い
ノースポールキク科の植物で、白い小花が株全体を覆うように咲く。こぼれ種でも増える。強い(霜注意)
ユリオプスデージーシルバーリーフと鮮やかな黄色の花のコントラストが美しい。木質化して大きくなる。強い
スーパーアリッサム通常のアリッサムより強健。グランドカバーとして地面を覆い、雑草防止にもなる。強い

ガーデンシクラメンの魅力

12月に植える花

冬の玄関先をパッと明るく華やかにしたいなら、ガーデンシクラメンの右に出るものはありません。

「シクラメンって室内で育てるものじゃないの?」と思われるかもしれませんが、ガーデンシクラメンは耐寒性のある原種と交配させて作られた、屋外栽培専用の品種なんです。

失敗しない選び方と管理場所

お店で選ぶときは、葉の数が多く、締まっている株を選びましょう。葉の数は花芽の数に比例するので、葉が多いほどたくさんの花を咲かせてくれます。また、球根の上部が土から少し出ている浅植えの状態が良い状態です。

置き場所ですが、いくら寒さに強いとはいえ、常に冷たい北風が吹き付ける場所や、霜が降り注ぐ場所では葉が傷んでしまいます。「軒下」「玄関ポーチ」など、屋根があって霜が当たらない場所がベストポジション。

もし霜が降りそうな夜は、新聞紙を一枚かけてあげるだけでも、翌朝の状態が全然違いますよ。

水やりの注意点

ガーデンシクラメンの水やりは、上からジャバジャバかけるのはNG。球根や葉の付け根(クラウン)に水が溜まると、そこから腐ってしまうことがあります。葉を少し持ち上げて、土の表面に直接水を注ぐようにしましょう。

サザンカやロウバイ

12月に植える花

草花だけでなく、目線を少し上げて「庭木(花木)」にも注目してみましょう。12月は、落葉樹が葉を落とし、庭の骨格がはっきりと見える時期。この時期に花を咲かせる木があるだけで、庭全体の品格がグッと上がります。

冬の彩り、サザンカ(山茶花)

12月に満開を迎えるのがサザンカ。よく似たツバキ(椿)との見分け方は、花の散り方にあります。ツバキは花ごとボトッと落ちますが、サザンカは花びらがハラハラと一枚ずつ散ります。

地面に落ちた花びらがピンクの絨毯のようになるのも、この季節ならではの風情ですよね。刈り込みに強いので、生垣として利用されることも多いですが、一本立ちのシンボルツリーとしても十分な存在感があります。

香りの宝石、ロウバイ(蝋梅)

私が個人的に大好きなのがロウバイ。12月から2月にかけて、葉のない枝に透き通るような黄色い花を咲かせます。そして何より素晴らしいのが、その「香り」。

甘く、どこか懐かしいような上品な香りは、寒い冬の空気を一瞬で幸せなものに変えてくれます。庭の入り口や窓辺など、香りが届きやすい場所に植えるのがおすすめです。

冬のガーデニング

12月に植える花

冬のガーデニング上級者は、「花」だけでなく「葉」の使い方がとても上手です。気温が低い冬は、植物の色素が濃くなり、葉色が非常に美しくなる季節でもあります。

進化したハボタン(葉牡丹)

かつては「お正月の花」「キャベツみたい」というイメージが強かったハボタンですが、最近の進化には目を見張るものがあります。

バラの花のように幾重にも重なる「ローズブーケ」タイプ、黒に近いシックな葉色を持つ「ブラックリーフ」、光沢のある「プラチナケール」など、洋風の庭やコンテナガーデンにも違和感なく溶け込む品種が増えています。

カラーリーフとの組み合わせ

ハボタンに合わせるなら、銀色の葉を持つ「シロタエギク」や「シルバーレース」がおすすめ。ホワイトとグリーンの組み合わせは、冬の寒色系の光と非常に相性が良く、雪景色のような静謐な美しさを演出できます。

また、動きを出すためにツル性の「ヘデラ(アイビー)」を垂らすように植えると、寄せ植え全体にリズムが生まれます。

12月に植える花|初心者も安心の管理とコツ

12月に植える花

「12月に花を植えたけど、すぐに枯れてしまった…」そんな悲しい経験をしないために、冬特有の管理テクニックをお話しします。春や夏の管理とは少し勝手が違うので、ここでのポイントをしっかり押さえておきましょう。

土作りの基本

12月に植える花

12月の土作りで最も意識すべきことは、「水はけ」と「保温性」。冬の土は一度濡れるとなかなか乾きません。水はけが悪いと、土の中の水分がいつまでも残り、夜間の冷え込みでその水分が凍って根を痛めてしまいます。

古い土を使う場合は、必ずリサイクル材でふかふかに戻すか、腐葉土やパーライトを2〜3割混ぜ込んで、水がスーッと抜ける環境を作ってあげましょう。

また、この時期は微生物の活動が鈍いので、即効性のある化学肥料よりも、時間をかけて分解される有機質肥料(油かすや骨粉など)を「寒肥(かんごえ)」として土の奥深くに混ぜ込んでおくのがおすすめ。

これが春の爆発的な成長のエネルギー源になります。

配置テクニック

12月に植える花

春や夏の寄せ植えでは、「これから大きくなるから」と株間を空けて植えるのがセオリーですが、冬は違います。12月から2月の間、植物の地上部はほとんど大きくなりません。

「最初から完成形」を目指す密植植え

冬の寄せ植えをおしゃれに見せるコツは、「いつもより詰めて植える(密植)」こと。土が見えないくらいぎっしりと植え込むことで、植えた瞬間からボリューム満点の豪華な寄せ植えになります。

また、植物同士が寄り添うことで、冷たい風が土の表面に直接当たるのを防ぎ、保温効果も期待できるんです。

配置のテクニックとしては、背の高いエリカやストックを後方に、中段にパンジーやビオラ、最前列や縁にアリッサムやヘデラを配置する「三角形の構図」を作ると、立体的でプロっぽい仕上がりになりますよ。

球根の寒さ対策

12月に植える花

チューリップやムスカリなどの秋植え球根。「植えるのを忘れてた!」と気づくのが12月ということもよくありますよね。でも大丈夫、まだ間に合います。ただし、10月や11月に植える場合とは少しやり方を変える必要があります。

ポイントは「深植え」と「皮むき」

12月の植え付けでは、通常よりも深く植える「深植え」を心がけてください。地表近くは凍結する恐れがありますが、地中深くは温度が比較的安定しているからです。球根の高さの2〜3倍の深さが目安。

そしてもう一つの裏技が、チューリップの球根の茶色い皮を剥いてあげること。皮を剥くことで、根が出る部分(発根部)が水分を吸収しやすくなり、遅れたスタートダッシュを取り戻すことができます。

無理に剥くと傷つくので、ペロッとめくれる部分だけでOKです。

鉢植えの水やり

12月に植える花

冬の植物を枯らしてしまう原因のナンバーワン、それは実は「水のやりすぎ」か「水やりの時間帯の間違い」なんです。

冬の水やりは、必ず「暖かい午前中の早い時間(朝9時〜11時頃)」に済ませてください。夕方や夜に水をやると、鉢の中の水分が夜間の寒さで凍りつき、根が氷漬けになって枯死してしまいます。

これは「植物を育てる」というより「物理現象への対策」と言ったほうがいいかもしれません。また、頻度も控えめに。「土の表面が白く乾いているな」と確認してから、さらに2〜3日待ってからあげるくらいで丁度いいです。

冬の植物は水をあまり吸わないので、乾燥気味に育てることで植物の樹液濃度が高まり、自ら凍りにくい体質(耐寒性)を強化することができます。

簡単な防寒対策

12月に植える花

最後に、物理的な防寒対策について。特に寒波が来ると予報が出ているときは、事前の準備が生死を分けます。

マルチングで足元を温かく

株元に腐葉土、バークチップ、あるいは藁(わら)などを敷き詰める「マルチング」は、非常に効果的。これは布団をかけてあげるようなもので、地温の低下を防ぐだけでなく、霜柱によって根が浮き上がってしまうのを防ぐ効果もあります。

不織布の活用

冷たい風が直接当たると、植物は急激に水分を失います。ホームセンターなどで売っている園芸用の「不織布(パオパオなど)」をふんわりとかけてあげるだけで、霜除け・風除けになります。ビニールと違って通気性があるので、蒸れてしまう心配も少ないです。

天気予報のチェックを忘れずに

気象庁などの天気予報で「霜注意報」や「低温注意報」が出ていないか、こまめにチェックする習慣をつけましょう。特に最低気温がマイナスになる日は要注意です。(出典:気象庁『気象警報・注意報』

春を待つ12月に植える花の楽しみ方まとめ

ここまで、12月に植える花のおすすめ品種や、冬ならではの管理のコツについてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。

12月の園芸は、植物の成長を楽しむというよりは、「植物を守り、春の準備をする」という意味合いが強いかもしれません。

でも、寒空の下で懸命に咲くパンジーや、雪の中で蕾を膨らませるクリスマスローズの姿を見ていると、「生きる力」を肌で感じて、なんだか自分まで励まされるような気持ちになります。

あまり難しく考えず、まずは気に入った一鉢を玄関に置いてみることから始めてみませんか? あなたの手で植えられた花が、冬の寒さを乗り越え、春の訪れとともに満開になる瞬間は、何にも代えがたい喜びですよ。

冬のガーデニングライフ、ぜひ私と一緒に楽しんでいきましょう。

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