【100均パキラ育て方のコツ!】購入後の工夫から冬越しまでのガイド

こんにちは。園芸基本の木、運営者の「hajime」です。

100円ショップでパキラを見かけると、小さくて可愛くて、つい連れて帰りたくなりますよね。手軽にグリーンを取り入れられるのは嬉しいことです。

でも、「100均のパキラって、ちゃんと育つの?」というのが正直なところではないでしょうか。購入したらどうすればいいのか、育て方が分からなくて枯れるんじゃないか、どうすれば大きくすることができるのか。

それに、土を使わない水耕栽培はできる? 剪定はどうするの?冬越しが難そう…など、疑問は尽きないかもしれません。

この記事では、そんな100均パキラの育て方に関する疑問に答えていきます。基本的な管理から応用まで、私の経験も踏まえながら解説しますね。

本記事の内容

  • 100均パキラを購入後にやるべきこと
  • 日々の管理の基本
  • 枯れる原因と対処法)
  • 大きくする方法や冬越しのポイント
目次

100均パキラの育て方|基本編

100均 パキラ 育て方

まずは、100均でパキラを購入したら「必ずやっておきたいこと」と、日々の基本的な管理方法について。

ここが一番の基本ですね。100均のパキラはまだ幼く体力がない株が多いため、最初の環境設定がその後の成長を大きく左右すると言っても過言ではありません。丁寧に見ていきましょう。

購入後の植え替えは必須?

100均 パキラ 育て方

結論から言うと、「なるべく早く植え替えるべき」というのが私の考え。理由は、100均のパキラが植えられている土と鉢にあります。

100均パキラの初期状態

多くの場合が、生産性を重視した土(例えば、ピートモスが主体で保水性が高すぎるもの)に植えられています。この土は、一度乾くと水を吸いにくく、逆に一度濡れると非常に乾きにくいという特性があり、家庭での水やり管理が難しいんです。

また、小さなビニールポットにぎゅうぎゅうに根が詰まっている「根詰まり」状態のことも多いです。ポットから抜いてみたら、根が真っ白に回っていた、なんてことも珍しくありません。

そのまま育てると、水はけが悪くて常に土が湿った状態になり「根腐れ」を起こしたり、根が詰まって新しい根を伸ばせず、水や養分をうまく吸えなくなったりする可能性があります。

元気に育てるための「土台」を作り直してあげるイメージですね。

植え替えに最適な時期

植え替えは、パキラの成長期である5月~9月頃が最適。気温が20℃以上あると活発に成長するので、植え替えの際に根が多少傷ついても、回復が早いんですね。

冬の植え替えはNG もし冬に購入した場合、植え替えは春(5月頃)まで待った方が無難です。パキラは寒さに弱いので、成長がゆっくりな冬に根をいじると大きなダメージとなり、回復できずにそのまま枯れてしまう危険があります。

冬に購入したら、ポットのまま暖かい室内で管理し、水やりを控えめにして、春を待ってから植え替えましょう。

植え替えの手順

準備するものは一般的な観葉植物と同じ。100均やホームセンターで揃えられますね。

植え替えの準備物

  • : 今の鉢より「ひと回り」大きな鉢。直径で3cm程度大きいイメージです。大きすぎると土が乾きにくく根腐れの原因になるので注意です。

  • 観葉植物用の培養土(水はけの良いもの)がおすすめ。「水はけが良い」と書かれたものを選びましょう。

  • 鉢底ネットと鉢底石: 鉢底穴から土が流れ出るのを防ぎ、水はけを良くする必須アイテムです。

手順は以下の通りです。作業しやすいよう、土を乾燥気味にしておくと良いですよ。

  1. 数日前から水やりを止め、土を乾燥させておくと、ポットから抜きやすくなります。
  2. 新しい鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、その上に鉢底石を敷き詰めます(鉢の高さの1/5程度が目安)。
  3. 観葉植物用の土を鉢の3分の1ほど入れます。
  4. パキラをポットから優しく引き抜きます。ポットを軽く揉むと抜きやすいです。
  5. 根の周りの古い土を手で軽くほぐし、3分の1程度落とします。根を傷つけないよう、優しくですね。カチカチに固まっていたら、無理に全部落とさなくても大丈夫です。

    傷んだ根(黒ずんだ根)があれば、清潔なハサミでカットします。
  6. パキラを新しい鉢の中央に置き、隙間に新しい土を入れていきます。割り箸などで軽く突きながら入れると、隙間なく土が入ります。


    この時、鉢のフチから数センチ下まで(ウォータースペース)土を入れるのを止めます。
  7. 植え替えが終わったら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり水を与えます。最初の水やりは、土の中の細かいゴミを流し出し、根と土を密着させる意味もあります。

植え替え直後の管理 植え替え後1~2週間は、パキラも少しお疲れモードです。根が新しい土に馴染むまで、直射日光の当たらない、明るい日陰(半日陰)で休ませてあげてください。

この期間は肥料もNG。新しい葉が動き出したら、回復したサインですね。

最適な置き場所と日当たり

100均 パキラ 育て方

パキラは日光が好きな植物ですが、原産地ではもっと大きな木の下に生えていることも多いようです。そのため、夏の強い直射日光は苦手なんです。「葉焼け」(葉が白や茶色に変色する)の原因になってしまいます。

一番良いのは、レースのカーテン越しなど、柔らかい光が当たる明るい室内。「明るい日陰」とも言います。リビングの窓際などが定番です。

耐陰性について(暗すぎる場所)

パキラは耐陰性(日陰に耐える力)も比較的ありますが、それは「枯れにくい」というだけで、元気に育つわけではありません。

暗すぎる場所に置くと、日光を求めて茎や枝がひょろひょろと間延びする「徒長(とちょう)」を起こしやすいです。

徒長(とちょう)とは? 日光不足により、植物が光を求めて間延びしてしまう状態。節と節の間が長くなり、葉の色も薄く、弱々しい姿になってしまいます。

もしひょろっとしてきたら、もう少し明るい場所へ移動させてみてください。ただし、暗い場所から急に強い日に当てると葉焼けするので、徐々に慣らすのがコツ。

エアコンの風は避ける

エアコンの風が直接当たる場所は、極度に乾燥してしまうため避けましょう。葉が傷んだり、土の乾きが早すぎたりする原因になります。人間が快適に過ごせる場所なら、パキラにとっても快適なことが多いですよ。

季節ごとの水やりのコツ

100均 パキラ 育て方

パキラの管理で一番難しいのが、この「水やり」。特に100均の小さな株は体力がないので、失敗しやすいポイントです。 コツは、「生育期」と「休眠期」でメリハリをつけること

春~秋(生育期)

パキラがぐんぐん成長する時期。水もたくさん必要とします。 「土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり」が基本。

「乾いたら」の判断は、指で土を触ってみて、湿り気を感じなくなったら、というのが分かりやすいですね。鉢を持ち上げてみて、軽くなっていたら乾いているサイン、というのも有効です。

受け皿の水は必ず捨てる! 受け皿に溜まった水をそのままにしておくと、鉢の中が常に湿った状態になり、酸素不足で根が腐る「根腐れ」の最大の原因に。これは本当に重要です。水やりをしたら、受け皿の水はすぐに捨ててください。

冬(休眠期)

気温が下がると、パキラの成長はゆっくりになります。水をあまり必要としません。 この時期に生育期と同じペースで水を与えると、土が乾かず一気に根腐れして枯れてしまいます。

水やりの頻度を大幅に減らし、乾燥気味に管理するのが鉄則です。 土の表面が乾いてから、さらに2~3日(暖房の効いた乾燥した部屋なら早め、玄関など寒い場所なら1週間以上)待ってから水を与えるくらいで十分。

「土の中までしっかり乾いたな」と思ってからあげるイメージですね。

葉水(はみず)のススメ

通年、特にエアコンで乾燥しがちな夏や冬は、霧吹きで葉に水をかける「葉水(はみず)」をしてあげるのがおすすめ。 湿度を保つだけでなく、葉についたホコリを落とし、ハダニなどの害虫予防にもなるので、一石二鳥ですね。

肥料はいつ与える?

100均 パキラ 育て方

肥料も、成長している時期に与えます。目安は5月~9月の生育期です。

100均のパキラはまだ小さいので、与えすぎは禁物。人間でいえば、赤ちゃんに大人の食事を与えるようなもので、消化不良(肥料焼け)を起こしてしまいます。 「肥料は少なめ」を心がける方が、失敗が少ないかと思います。

肥料の種類と与え方

  • 緩効性肥料(固形肥料): 土の上に置くだけのタイプ。効果が2ヶ月ほどゆっくり持続します。これが一番手軽です。

  • 液体肥料(液肥): 水で薄めて、水やり代わりに与えるタイプ。即効性があります。10日~2週間に1回程度が目安。

どちらを使う場合も、規定量より少し薄めから始めてみましょう。

植え替え直後・冬は肥料NG! 植え替え直後(約2週間)や、成長が止まる冬場は肥料を与えないでください。根が肥料の成分を吸収できず、逆に根を痛める「肥料焼け」(人間でいう胃もたれのような状態)の原因になります。

葉が枯れる原因と復活方法

100均 パキラ 育て方

パキラの元気がなくなる原因は、だいたい「水」「光」「温度」のどれか。100均の株に限らず、よくあるトラブルと対処法をまとめます。

「あれ、何か元気がないな」と思ったら、まずはこの表をチェックしてみてください。

スクロールできます
よくある症状主な原因対処法
幹がブヨブヨする 土から異臭がする 葉が黄色くポロポロ落ちる根腐れ(水のやりすぎ) 特に冬の水のやりすぎは致命的です。鉢の中が常に湿っている状態です。幹がブヨブヨしたら復活は困難です…。初期症状(葉の黄変)なら、水やりを止め、風通しの良い場所で土を徹底的に乾燥させます。それでもダメなら植え替えを。
葉に張りがなく垂れ下がる 土がカラカラに乾いている水切れ (シンプルな水不足)すぐに鉢底から流れるくらいたっぷりと水を与えます。数時間で葉がシャキッと元に戻ることが多いです。これを繰り返すと株が弱るので注意。
葉が白っぽくなる 茶色くパリパリに枯れる葉焼け (夏の強すぎる直射日光)すぐに直射日光の当たらない明るい日陰に移動させます。焼けた葉は元に戻らないので、美観が気になるならカットしても良いです。
茎や枝が間延びする (ひょろひょろ育つ)日光不足(徒長)より明るい場所へ移動させます(徐々に)。ひょろひょろの部分は、生育期に剪定して仕立て直すことができます。
葉先が茶色く枯れる根詰まり or 乾燥 エアコンの風が原因のことも。根詰まりなら植え替えを。乾燥が原因なら置き場所の見直しや、葉水を試してみてください。

100均パキラの育て方|応用編

100均 パキラ 育て方

基本がわかったら、次は応用編です。小さなパキラを大きくする方法や、土を使わない育て方、そして最も重要な冬の越し方を紹介します。100均の株でも、育て方次第で立派な観葉植物になりますよ。

大きくする方法と植え替え

100均 パキラ 育て方

100均の小さなパキラも、元気に育てばもちろん大きくなります。 大きく育てる一番のコツは、成長に合わせて1~2年に1回、ひと回り大きな鉢に植え替えること。

植え替えの頻度とサイン

1~2年に1回、生育期(5月~9月)に植え替えるのが理想です。以下のようなサインが出たら、植え替え時ですね。

  • 鉢の底穴から根が見えてきた
  • 土への水の染み込みが悪くなった
  • 鉢に対して、植物(地上部)が大きくなりすぎた
  • 生育期なのに、新しい葉があまり出なくなった

根が鉢の中でいっぱいになると、それ以上成長しにくくなります。少し広いお部屋(鉢)に引っ越しさせてあげるイメージです。

植え替えと生育期の適切な肥料やり。この繰り返しで、パキラは着実に大きくなっていきます。

形を整える剪定の時期

100均 パキラ 育て方

パキラが育ってきて形が乱れたり、背が高くなりすぎたり、あるいは「徒長」してひょろひょろになったりしたら「剪定(せんてい)」を行います。

剪定の時期も、植え替えと同じ生育期の5月~9月が適しています。回復が早い時期ですね。

剪定のポイント

伸びすぎた枝や、混み合っている葉を、節(葉の付け根や、幹の膨らんだ部分)の少し上でカットします。パキラは生命力が強く、カットした節のあたりから新しい芽が出てくることが多いです。

剪定の目的は、形を整えるだけでなく、風通しを良くして病害虫の予防にもなりますし、カットした下から新しい芽の成長も促進されます。

剪定した枝の活用(挿し木)

剪定で出た枝は、「挿し木」として増やすこともできます。カットした枝を水に挿しておくだけで根が出ることが多いので、とても手軽です。これもパキラを育てる楽しみの一つですね。

ハイドロカルチャーへの植え替え

100均 パキラ 育て方

「土を使わずに清潔に育てたい」「虫が心配」という場合は、ハイドロカルチャー(水耕栽培)もおすすめ。見た目も涼しげで、キッチンなどにも置きやすいですね。

ハイドロカルチャーのメリット・デメリット

  • メリット: 衛生的(土を使わない)、水やりの頻度が分かりやすい(容器が透明なら)、虫がわきにくい。

  • デメリット: 土栽培より成長はゆっくりになる、根腐れ防止剤など専用のアイテムが必要。

土は「完全に」洗い流す! ハイドロカルチャーに植え替える際、一番のポイントは根についている土を完全に洗い流すこと。少しでも土が残っていると、水が腐る原因になります。

パキラをポットから出し、バケツに張ったぬるま湯などで、根を傷つけないよう優しく丁寧に洗い流してください。かなり根気のいる作業ですが、ここが成功の鍵です。

ハイドロカルチャーへの植え替え手順

  1. パキラの根から土を完全に洗い流します。
  2. 穴の開いていないお好みの容器(ガラスなどが涼しげですね)に、「根腐れ防止剤」(ゼオライトなど、水をキレイにする石です)を底に敷きます。
  3. あらかじめ水洗いしておいたハイドロボール(人工の土)を容器の1/3ほど入れます。
  4. パキラを中央にセットし、周りからハイドロボールを追加して固定します。
  5. 容器の1/5程度の高さまで水を入れます。根が常に水に浸かっていると呼吸ができなくなるので、入れすぎは禁物です。

水やりは、容器の底の水が完全になくなってから数日後、再び1/5程度まで水を入れるのが目安です。肥料は、ハイドロカルチャー専用の液体肥料を生育期に与えます。

最重要!冬越しの温度管理

100均 パキラ 育て方

パキラの育て方で、植え替えや水やりと同じくらい…いえ、個人的には一番重要だと思うのが「冬越し」です。

パキラは熱帯の植物なので、寒さに非常に弱いです。100均の小さなパキラは、大きな株に比べて体力も少ないため、冬越しを成功させることが、長く育てる最大のカギとなります。

パキラの冬越し3大ルール

  1. 温度管理(最低10℃以上) 必ず室内に取り込みます。耐えられる最低温度は5℃と言われますが、それはギリギリのライン。株が弱る可能性が高いです。安全のため最低10℃以上を保てる部屋に置きましょう。リビングなどが最適ですね。

  2. 夜間の置き場所(窓辺NG) 日中は窓際で日光に当てても良いですが、夜は窓辺の気温が外気とほぼ同じくらいまで下がります。夜になったら、部屋の中央など、窓から離れた暖かい場所に移動させてください。この一手間が本当に大事です。

  3. 水やり(徹底的に乾燥) 「季節ごとの水やり」でも触れましたが、冬は「乾燥気味」が鉄則です。土が乾いてから1週間後でもいいくらい、控えめにします。水のやりすぎは、冬の根腐れ(=枯れる)の最大の原因です。

また、暖房の風が直接当たると極度に乾燥して葉を痛めるので、置き場所には注意してくださいね。もし空気が乾燥しすぎる場合は、日中の暖かい時間帯に霧吹きで「葉水」をしてあげるのも良いです。

100均パキラ育て方3つのコツ

100均 パキラ 育て方

最後に、100均のパキラ育て方で、私が特に大切だと思う3つのコツをまとめます。

1. 購入後の「植え替え」

まずは良い環境(水はけの良い土と、根が伸びるスペースのある鉢)を整えてあげること。これがスタートラインです。小さな株だからこそ、最初の住環境は大切ですね。ここで手を抜くと、後々根腐れなどで苦労するかもしれません。

2. 季節ごとの「水やり」

特に冬。水のやりすぎで失敗するケースが本当に多いです。「乾かし気味」を徹底しましょう。「春~秋はたっぷり、冬はしっかり乾かす」このメリハリが大事。植物の状態をよく観察するクセをつけると良いですね。

3. 寒さ対策「冬越し」

パキラは「寒さが苦手」ということを常に意識すること。特に夜間の窓辺は危険です。10℃以上をキープできる場所に置いてあげましょう。人間が快適でも、窓際はパキラにとって過酷な環境なんです。

100均の小さなパキラも、この3点を意識するだけで、元気に育ってくれる可能性がぐっと上がります。小さな緑が、少しずつ大きく成長していく姿はとても嬉しいものですよ。ぜひ、パキラとのグリーンライフを楽しんでください。

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