【ジャガイモの植える時期と植え方は?】地域の状況に合わせた栽培のポイント

こんにちは。園芸基本の木のhajimeです。茹でるとホクホクとしたおいしいジャガイモが家庭菜園で収穫できたら最高ですよね。

でも、いざ始めようとすると、ジャガイモの植える時期と植え方はどうすればいいのか、自分の住んでいる地域ではいつが最適なのかと悩んでしまうことも多いのではないでしょうか。

特に春植えや秋植えのタイミングを逃すと、うまく育たなかったり、種芋が腐ってしまったりすることもあります。

この記事では、初心者の方でも迷わず進められるように、地域ごとのカレンダーや芽出し、土作り、そしてプランターでの栽培方法まで、私が実際に調べて試してきた経験をもとに分かりやすく解説します。

この記事を読めば、自信を持ってジャガイモ栽培をスタートできるはずですよ。

本記事の内容

  • 住まいの地域に合わせた最適な植え付け時期の判断基準
  • 収穫量を増やすために欠かせない種芋の準備と芽出しのコツ
  • そうか病などの病気を防ぐための土壌管理と肥料のポイント
  • 芽かきや土寄せなど、植えた後の管理で失敗しないための手順
目次

ジャガイモの植える時期と植え方は地域や品種で決まる

ジャガイモの植える時期と植え方は

ジャガイモ栽培において、最も大切なのは「タイミング」。日本の広い国土では、地域によって気温が全く異なるため、自分の住んでいる場所の気候を正しく知ることが成功への第一歩になります。

ここでは、季節ごとのスケジュールや品種の選び方について、かなり深掘りして解説していきますね。

春植えと秋植えの栽培カレンダー

ジャガイモの植える時期と植え方は

ジャガイモ栽培には、1年に2回のチャンスがあります。それが、春に植えて初夏に収穫する「春作(春植え)」と、夏の終わりに植えて冬に収穫する「秋作(秋植え)」です。

一般的に春植えは2月下旬から3月下旬秋植えは8月下旬から9月下旬が適期とされていますが、これはあくまでも目安。実はジャガイモの成長には「地温」が大きく関わっているんです。

春作の場合、地温が10℃を超えてくると芽が動き出します。逆に、秋作は暑すぎると種芋が腐ってしまうため、最高気温が30℃を下回る時期を見計らうのがコツ。

春作は栽培期間が長く、収穫量も安定しやすいので、初めての方はまず春作からスタートするのがおすすめですね。一方で秋作は、栽培期間は短いものの、冬の寒さでイモの糖度が増し、ホクホク感の強い美味しいジャガイモが収穫できるという魅力があります。

春作は「遅霜(おそじも)」、秋作は「残暑」と「早霜(はやじも)」が最大の敵になります。地域の天気予報をチェックして、これらのリスクを避けることが、失敗しないための秘訣です。

また、詳しい時期についてはこちらの記事でも地域ごとの詳細な考え方を解説しています。
【秋ジャガイモの植え付け時期が遅い時】上手な栽培のコツと対策法とは

北海道から西日本までの地域別適期

日本の国土は南北に長いため、「いつ植えるか」の正解は住んでいる場所によって1ヶ月以上も変わります。例えば、寒冷地の北海道では、春作の植え付けは4月下旬から5月中旬まで待つ必要があります。

まだ雪が残っているような時期に植えても、種芋は土の中で眠ったままですし、最悪の場合は寒さで傷んでしまいます。

逆に、西日本や関東の中間地では、2月下旬から3月上旬には植え付けを済ませることが多いです。これは、梅雨の長雨が来る前に収穫を終えたいからなんですね。

雨が多い時期に収穫すると、イモが腐りやすくなるだけでなく、保存性も著しく落ちてしまいます。さらに、地域別の具体的なカレンダーをまとめると以下のようになります。

スクロールできます
地域春作(春植え)秋作(秋植え)備考
北海道・東北(寒冷地)4月下旬 〜 5月中旬(不可)1回栽培が一般的
関東・東海(中間地)2月下旬 〜 3月下旬8月下旬 〜 9月上旬二期作が可能
西日本・九州(暖地)2月中旬 〜 3月中旬9月上旬 〜 9月下旬秋作の成功率が高い

このように、自分の住んでいる地域の気候特性を理解することが、ジャガイモの植える時期と植え方はどうすべきかという疑問に対する、最大の回答になります。

春作と秋作で異なる品種選定のコツ

ジャガイモの植える時期と植え方は

ジャガイモには非常に多くの品種がありますが、実は「春には向くけれど秋には向かない」という種類が存在します。これにはジャガイモの「休眠期間(収穫してから芽が出るまでの期間)」が関係しています。

春作であれば、休眠の長い「男爵」や「メークイン」、「キタアカリ」など、どんな品種でも自由に選べます。これらは冬の間ぐっすり眠って力を蓄えているので、春に植えると元気に芽吹いてくれます。

しかし、秋作にこれらの品種を選んでしまうと、植えても土の中で「まだ眠いよ〜」と芽を出さず、そのまま冬を迎えてしまうんです。

秋作には、必ず休眠が短い品種である「デジマ」「ニシユタカ」「アンデスレッド」など、秋植え専用として売られているものを選んでください。

私のおすすめは、春なら「キタアカリ」。別名「栗ジャガイモ」と呼ばれるほど甘みが強く、無施肥(肥料なし)でもかなり美味しく育つ生命力を持っています。

種芋の休眠打破と浴光催芽のやり方

ジャガイモの植える時期と植え方は

ホームセンターで買ってきた種芋、そのまま植えても良いのですが、ひと手間かけるだけで成功率が劇的に上がります。それが「浴光催芽(よくこうさいが)」、いわゆる芽出しです。

植え付けの約2〜3週間前から、10℃〜20℃くらいの明るい窓際(直射日光は避ける)に種芋を並べておくだけ。たったこれだけのことですが、これがめちゃくちゃ重要なんです。

光を浴びることで、種芋の中ではデンプンが糖に変わり、芽を出す準備が始まります。やがて、黒っぽくて硬い、力強い芽がちょこんと出てきます。この芽が出た状態で植えることで、土に入れた後のスタートダッシュが決まり、芽が出揃いやすくなります。

芽が揃うと、その後の芽かきや土寄せといった管理作業も一斉に行えるようになるので、結果として栽培がすごく楽になりますよ。夜間の急激な冷え込みで種芋が凍らないようにだけ、注意してあげてくださいね。

失敗しない種芋の切り方と保護のコツ

種芋が1個80g以上と大きい場合は、2〜4等分に切って使います。このとき、単に適当に切ればいいわけではありません。ジャガイモには「頂部」といって、芽がたくさん集まっている側があります。

この頂部の芽が均等に分かれるように、縦に切るのが正解。1片あたり40g〜60g程度の重さを残すようにしましょう。切った後の「切り口の処理」も、腐敗を防ぐための大きなポイントです。

一番手軽なのは、風通しの良い日陰で2〜3日乾かして、切り口にコルクのような層を作ること。急いでいる場合は、専用の「じゃがいもシリカ」や「草木灰」をまぶすと、傷口を物理的に保護し、殺菌してくれる効果があります。

秋植えの際は、地温が高く、切り口から細菌が入って腐りやすいというリスクが非常に高いです。そのため、秋作に限っては「50g以下の小芋を、切らずに丸ごと植える」のが、最も安全で失敗の少ない方法です。

品種ごとの詳しい特徴や選び方については、こちらの記事も参考にしてみてください。
【じゃがいもに肥料はいらない?】失敗しない土作りと追肥のポイント

ジャガイモの植える時期と植え方は土壌管理と定植が鍵

ジャガイモの植える時期と植え方は

種芋の準備ができたら、いよいよ土壌作りと植え付け。ジャガイモは根が深く張るわけではありませんが、イモが肥大するための「土の柔らかさ」と「酸性度」が非常に重要になります。

ここを疎かにすると、収穫したジャガイモの見た目や味に大きく影響してしまいます。

そうか病を防ぐ土壌の酸度管理

ジャガイモ栽培において最大の悩みといえば、表面がザラザラしたかさぶたのようになる「そうか病」です。この病気の原因菌である放線菌は、アルカリ性の土壌(pH6.0以上)で活発に活動します。

日本の土はもともと弱酸性であることが多いため、他の野菜と同じように「とりあえず石灰を撒いて中和しよう!」と考えてしまうと、逆にそうか病を招くことになります。

ジャガイモの理想的なpHは5.0〜6.0の弱酸性。前作で石灰をたっぷり入れた場所でない限り、ジャガイモの畝には石灰を入れないのが鉄則です。

もし、どうしても酸度が強すぎる場合でも、アルカリ性の弱い天然資材などを使い、控えめに調整しましょう。pHを低めに保つことは、農薬を使わずに病気を防ぐ最も効果的な「予防策」となります。 (出典:北海道立総合研究機構『ばれいしょのそうか病― 診断・多発要因・防除法

肥料焼けを防ぐ施肥設計のポイント

ジャガイモの植える時期と植え方は

ジャガイモは意外と食いしん坊な野菜ですが、窒素肥料の与えすぎには要注意です。葉ばかりが茂って肝心のイモが太らない「つるボケ」になってしまいます。

種芋を植える際に肥料が直接触れると、そこから細菌が入って「肥料焼け」を起こし、腐ってしまうことも。植え付けの際は、種芋と種芋の間に肥料を置く「置き肥」の形にするか、肥料の上に5cmほど土を被せた上に種芋を置く工夫をしましょう。

家庭菜園なら「ジャガイモ専用肥料」を使うのが一番手っ取り早くて確実です。カリ分が多めに配合されているので、イモの肥大をしっかりと助けてくれます。追肥は、芽かきをした後や、つぼみが見え始めたタイミングで軽く施す程度で十分です。

芽出しを促進する深植えと株間の工夫

ジャガイモの植える時期と植え方は

ジャガイモの植え方の基本は、深さ10cmほどの溝に、芽を上にして種芋を並べていく方法です。株の間隔は30cmくらい空けるのが理想的。これより狭いと、葉が茂った時に日当たりが悪くなったり、土寄せをするための土が足りなくなったりしてしまいます。

なぜ10cmの深さなのか

ジャガイモの新しいイモは、植えた種芋よりも「上の部分」にできます。したがって、あまりに浅く植えてしまうと、成長したイモがすぐに地表に飛び出してしまい、日光に当たって緑化してしまいます。

逆に20cmも深く植えてしまうと、今度は芽が出てくるまでに時間がかかりすぎ、体力を使い果たして生育が遅れる原因になります。この「10cm」という深さは、芽出しのスピードとイモが育つスペース確保の、絶妙なバランスなんですね。

逆さ植えのメリットと地温のリスク

「逆さ植え」という、芽を下に向けて植える裏技を聞いたことがあるかもしれません。あえて芽に「土の中を遠回りして地表に出る」というストレスを与えることで、生命力の強い芽だけが生き残るという方法です。

これにより、自然と芽の数が絞られ、後で行う「芽かき」の作業を省略できるというメリットがあります。また、下向きに出た芽は種芋よりも低い位置を通るため、イモが土の深い位置にできやすく、緑化しにくいという説もあります。

ただし、逆さ植えにはリスクもあります。芽が地表に出てくるまでに時間がかかるため、特に春先の地温が低い時期に行うと、芽が出る前に種芋が力尽きてしまうこともあります。

寒冷地や、植え付け時期が少し早い場合は、通常の「芽を上にする植え方」をおすすめします。

多収穫を目指すマルチ栽培の活用法

最近の家庭菜園で主流になりつつあるのが、黒いビニールで覆う「マルチ栽培」。黒マルチを張ることで地温が上がり、特に春先の生育スピードが格段に早まります。

また、雑草を抑えたり、雨による土の跳ね返りを防いで病気を予防したりと、良いことずくめです。マルチを使う場合は、あらかじめ20cm程度の「高畝」にしておき、その中に種芋を植えることで、後の土寄せ作業を一切行わない「完全土寄せなし栽培」も可能になります。

栽培方法メリットデメリット
露地栽培(通常)初期費用が安い、自然な管理草むしりと土寄せが大変
黒マルチ栽培地温上昇、雑草抑制、土寄せ不要マルチを張る手間、資材代
透明マルチ栽培地温上昇効果が最強夏場は暑すぎてイモが煮えるリスク

管理のしやすさを選ぶなら黒マルチ、ジャガイモ本来の姿を見守りながら育てたいなら露地栽培、というように自分のスタイルに合わせて選んでみてください。

ジャガイモの植える時期と植え方は収穫まで続く

植え付けが終われば一安心……ではありません。ジャガイモ栽培の「本当の勝負」は芽が出てから始まります。草丈が10cm〜15cmほどになったら、元気な芽を1〜2本だけ残して残りを引き抜く「芽かき」を行いましょう。

これをしないと、小さなイモばかりがゴロゴロできてしまいます。そして、1回目、2回目と丁寧な「土寄せ」を忘れずに。土寄せはイモのベッドを広げる作業であり、直射日光から大切なイモを守る鎧でもあります。

この記事で紹介したジャガイモの植える時期と植え方は、あくまでも一般的な目安です。お住まいの場所の具体的な気候や、その年の気温の変化に合わせて、柔軟に対応してあげてくださいね。

もし不明な点があれば、地域のJAやベテラン菜園家の知恵を借りるのも一つの手です。楽しみながら、美味しいジャガイモをたくさん育てましょう!

より詳しい収穫のサインや、収穫後の保存についてはこちらの記事もぜひチェックしてみてください。
【秋ジャガイモの収穫時期】初心者でも失敗しない品種選びと育て方のコツ

※数値や推奨時期は一般的な目安です。実際の栽培においては、気象庁のデータや地域の栽培指針を確認し、ご自身の責任において判断してください。特に病害虫の防除などは、最新の公式サイトの情報も参考にされることを強く推奨します。

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